腹水・胸水が溜まる原因と胸水の漢方治療について

胸水とは

0631cd16.jpg

胸水とは、胸腔内に溜まった水分のことをいいます。胸部には「胸腔」と呼ばれている胸膜で囲まれた空間があり通常でも少量の胸水が溜まっています。この液体は、肺の外側を覆い、胸腔を潤滑し、呼吸を容易にしている膜をコーティングする働きがあります。
(※腹水は腹腔内に水分が貯留した状態です。)

胸水は胸膜から少しずつ出てきて、再び胸膜から吸収され、通常は一定の量を保っています。ところが何らかの原因で、生じる胸水よりも吸収される胸水の方が少なくなるという状況になると徐々に胸水量は増えてきます。

胸水の貯留は、肺、胃腸を強く圧迫します。 排尿と排便が止まり呼吸が困難になり体力、免疫を低下させ続けます。癌、肝硬変、腎臓病も怖いのですが、それ以上に、腹水の方が、余命に直結すると言われていますので、最優先して早急に対処する必要があります。胸水さえコントロールできれば、延命の可能性もあると長年の経験から私は考えています。

胸水の発症原因について

kanshougai.jpg

胸水は、癌、癌性腹膜炎(腹膜播種)、癌性胸膜炎(胸膜播種)肝硬変、心不全、ネフローゼ症候群、婦人疾患、胸膜疾患、栄養失調などから発症します。その中でも、肝硬変から発症する患者様が殆どです。

胸水の症状ついて

胸部の張り・胸部の痛み・胸痛・咳・血痰・息切れ・食欲不振・胃の不快感(ムカムカ、嘔吐など)・下痢・便秘・排尿異常・浮腫・倦怠感・腰痛・足先の冷え・脱水症状など

※腹水も胸水同様、上記のような原因や症状により発症します。

腹水・癌についてはこちらをご覧ください。


西洋医学での胸水治療


薬を飲む.jpg

利尿剤

貯留している水分を強制的に尿として排出することで、胸水の減少を図ります。
利尿剤投与の初期では、非常に排尿も促進されますので効果が期待できます。
ただし、長期にわたる連用により効果は減弱し始めます。
長期間の投与により「腎機能の低下」を生じますので必要最小量の投与での効果維持を図ることが望まれます。

アルブミン製剤

アルブミン製剤は非常に高価(人由来の製剤なのでいわゆる)であり、その為保険適応内でも使用を制限される。
アルブミン製剤は血中のアルブミンが低いから点滴で流し込んで数値を上げるためのものですが、あくまでも対症療法的な処置でしかない。私たちの提案は、肝臓の機能や栄養状態を高めて、自分の力でアルブミンを増やしやすい環境に整えていくお手伝いを行う。

胸腔ドレナージ

胸腔ドレナージとは、胸腔内にチェストチューブ(胸腔ドレーン)を挿入し、胸腔に貯留した空気や液体を排出する医療処置である。胸水・気胸・血胸・膿胸などの治療として行われる。また、チューブから薬液を注入し、胸水や気胸の再発を防ぐ目的(胸膜癒着術)で用いられることもある。

チェストドレーン(胸腔ドレーン)挿入後は、肺の虚脱防止と再拡張、排出した空気や液体の逆流防止、胸腔内の陰圧保持などの目的で、持続吸引が行われる。


西洋的、東洋的な腹水、胸水の発症原因

腹水・胸水の原因は、大きく2つ分けられます。

ダウンロード.jpg

「アルブミンの減少」

肝炎の進行で肝硬変になると肝臓の繊維化が進み、肝臓の働きである【蛋白の代謝】というものが一気に低下してしまう。通常、血液中にはアルブミンなどの蛋白質が一定量じゃないといけないが、肝硬変などにより肝臓の働きである「蛋白合成能」が低下してしまうと結果血中の蛋白量(主にアルブミン)が減ってしまう。

では血中のアルブミンが減ってしまうとどうなるのか・・・?
アルブミンには「水分を保持し、血液を正常に循環させるために浸透圧の維持」という働きがございます。ですからアルブミンの量が一定量より減ってしまうことで水分を支える力も低下してしまい、浸透圧のバランスも崩れ、もともと血管内にあった水分が血管の外へと漏れ出してしまいます。この漏れ出した物が「胸水」となる。

「体内で起こる炎症」

癌性腹膜炎(腹膜播種)癌性胸膜炎(胸膜播種)などにより胸膜に炎症が生じる場合、腫瘍表面から滲出した液が胸水となる。また、胸膜レベルでの水分調節に異常をきたし胸水を増加させてしまう。

↓     ↓     ↓     ↓

腹水・胸水貯留の直接的な原因は、おおむね以下の5点に分かれます。

体内炎症による胸膜の浸透圧異常
肝機能低下による血流・エネルギー代謝の低下
肝機能低下によるアルブミン低下
肝硬変に伴う腎機能低下による水分代謝障害
心機能低下に伴う全身の血流量低下


東洋医学では主に上記の原因で胸水の貯留が起こると考えられています。

漢方と温熱による腹水・胸水対策


血流向上を図る
血流の悪化を改善する対策

胃癌・大腸癌・膵臓癌・卵巣癌などによる腹膜播種や肝硬変・ 肝臓癌によって生じる腹水では、ほぼ100%『血流の悪化』が生じています。肝臓や腎臓などの臓器内血流の悪化が過度に進んでいることと、 身体全体(特に足・腹部)の血流が悪化することで、水の停滞が進みます。その結果、胸水だけでなく腹水や、足全体までもがパンパンに浮腫みます。

アルブミンを増加させる
溜まっている水が血管内に戻るための対策です。
ここで重要になるのが「血中アルブミンの増加」です。
アルブミンの役割は、血管外水分を血管内に引込むことです。
腹水・胸水貯留が始まっている方は、アルブミン値が低いため水が溜まります。

炎症を抑える
血流を悪化させる「炎症」が問題になります。
肝硬変も癌も部分的に炎症が存在していますので、
これを抑えることが「胸水排出」のための環境設定のひとつにもなります。
※血液検査でCRPが異常に高い場合は、温熱療法は控えた方がよい場合があります。
しかし炎症が進むことと腹水貯留を天秤にかけなければならない状況も考えられます。

腎臓機能の悪化を防ぐ対策
腹水、胸水が溜まっている癌や肝硬変の方々は、本来、腎臓機能は正常です。
ただし、長期にわたる「利尿剤の服用」や「抗癌剤治療」などで腎臓機能までもが悪化しているケースが多いのです。
腎臓は、『水を排除する際の最後の出口』のような場所です。
炎症が治まり、血流が改善し、アルブミンが増えたとしても、腎臓が悪い状態ならば腹水は排出できません。
胸水を改善するためには、徹底的に腎臓を守り続けなければなりません。

水の流れ~排出を向上させる
身体全体の「水の流れ」を向上させ「水の排出」を促進するための対策です。胃腸から吸収された水分が、最終的には腎臓に運ばれ「尿」として排出されるまでの流れを整えます。
漢方医学では五臓六腑の中の『脾』『肺』『腎』の三臓が水の流れをコントロールしていると考えられていますので、これら三臓の機能を高める漢方薬を用い、 水の停滞を改善し、腹水・胸水排出へと向かわせます。

1920_1080_20091117092829164306.jpg

この対策法は“余分な水を排出させる対策”だけをしているわけではありません。
血流向上や炎症コントロールもしていきますので、結果、「水が溜まらない対策」にも繋がります。
腹水・胸水が溜まると、ついつい「腹水・胸水を出す」ことを考えてしまがちですが、
一時的には楽になっても根本対策にはなりません。

温熱と漢方による対策では、“腹水・胸水を出す”と同時に“腹水・胸水を溜めない”

ここに重点を置いています。

腹水・胸水貯留の際の対策法と注意事項

1.血液検査を確認する

(※癌、胸水患者様は、血液検査で特に注意する項目として下記の6項目の数値
です。)
ALB(アルブミン) 正常値 3.8~4.0

血液中の蛋白量(栄養状態)を示す数値です。
アルブミンとは、 肝臓で合成され血液中に流し込まれ、本来、血液中に一定量に保たれている蛋白質の一種です。アルブミンは、血管内の水分の調整や浸透圧に大きく関係しており、アルブミンが減少することにより、うまく水分調整ができなくな胸水貯留や浮腫などの症状を発症します。

CRP(C反応性蛋白) 正常値 0.3未満

体内の炎症状態示す数値です。
癌(腫瘍)、胸水の進行などによって高くなる数値ですが、その他にも、風邪、肺炎、リウマチなどでも高値を示すこともあります。癌の中では、癌性腹膜炎、腹膜播種などの場合、他のガンに比べ数値が高く現れます。

CHE(コリンエステラーゼ) 正常値 200~440

肝臓全体の栄養状態を示す数値です。
その他にも、肝 臓での蛋白合成能力などを確認できます。コリンエステラーゼが低下すると結果、肝臓での蛋白合成能力も低下するため結果、アルブミンが減少してしまい胸水が溜まりやすい環境ができてしまいます。CHEは、肝臓内の炎症、栄養状態の悪化に伴い数値が低下していきます。

CRE(クレアチニン) 正常値 0.4~1.1

腎機能が低下し、腎臓での濾過能力が低下した結果上昇する数値です。
利尿剤の長期の服用により上昇します。CREび数値が高くなれば、浮腫や、排尿障害などが起こります。

RBC(赤血球) 正常値 男性440~550 女性380~500

癌の進行、抗がん剤の副作用、栄養失調により赤血球は減少します。血液は、各臓器に栄養素や酸素を運ぶ重要な役割 を行っています。赤血球の数値が減少すれば、各臓器の機能低下などが起こります。

LYMPH(リンパ球)正常値 18%~30%

免疫細胞の1種です。数多くある免疫の中でも、このリンパ球は癌細胞と戦うために最も必要な数値です。リンパ球も、赤血球と一緒で、癌、抗がん剤、栄養失調、炎症などで数値が低下していきます。



2.食生活について

140818_ooshima_0815_480_360.jpg

癌、腹水・胸水患者様の食生活につきましては、基本、和食中心が理想です。和食にはバランスよく栄養素が含まれており、健康を保つために欠かせない食べ物と言われています。ただ、食べ物に ついては、あれもダメ、これもダメと言えばキリがありませんし、場合によっては患者様に強いストレスを与えてしまいます。ストレスは、病気を悪化させる一番の原因です。たまには患者様が食べたいものを食べさせてあげることも重要です。

3.水分摂取

144707c86d4f2243af5b21a12274c0a6.jpg

腹水・胸水患者様の水分摂取につきましては、基本、1日の排尿量が500CC以上出ているのであれば積極的に水分をとってください。基本、新しい水分を体内に取り入れることで、古い水分が排出されます。水分は摂れば溜まるのではなく、摂らないから溜まっている患者さんも数多くいらっしゃいます。

ただし、冷たい水分は要注意です。また、水分と言っても、お水やお茶に限ります。その他のものは含まれません。利尿剤を服用しても、1日の排尿量が500CC未 満の際は水分摂取は控えるようにされてください。



4.漢方で腹水・胸水が発症する根本の原因から対策を行う

masuda_vol32_2-350x364.jpg

腹水や癌の治療として漢方も有効な治療法の1つのです。漢方は病院薬とは異なり「対症療法(一時的な緩和治療)」ではございません。漢方は病気(腹水・胸水など)が発症する根本の原因を捉え、大元から治療対策を行うことができます。

よく、漢方は効果が出るまでに時間がかかるのでは!?ということを耳にしますが、けしてそのようなことはありません。もちろん、個人差はありますが、即効性のある漢方や、副作用が少なく安全性が高い漢方、病院の治療と併用し相乗効果を高める漢方など効果や種類も様々です。

漢方は使い方や飲み方次第では良い体感を得られる患者様も少なくありません。

漢方を服用される際は、患者様に合ったものを服用できれば効果や確率もあがるのではないでしょうか。

では、漢方もたくさん種類がありますが、その中の一部をご紹介致します。
(※漢方は患者様の症状や体質により服用する漢方が異なります。)


田七人参(でんひちにんじん)


田七人参は、多くの慢性疾患患者さんが服用している漢方薬の1つです。中国では早くから田七人参を漢方製剤の主成分として腎臓病・肝臓病・癌・腹水・胸水・高脂血症・脳血管障害・高血圧症・糖尿病・皮膚疾患・帯状疱疹・前立腺肥大などの臨床治療に使用されていましたが、日本においても田七人参を服用なさっている方々が近年増加しています。

それは田七人参により血液の質を改善(サラサラ)」「体内の不要な熱を排除(抗炎症)などが期待されるからなのです。

田七人参「腫れ・痛みや出血を鎮める働き」「血液をサラサラにする働き」「免疫力を高める働き」は各種慢性疾患・生活習慣病には不可欠な要素となっています。それほどの薬理作用があるにもかかわらず、なぜ日本では最近まで日の目を見なかったのですか。それを解き明らかすカギは、その”希少価値”にあるようです。田七人参は特有の効能を持つため、中国では昔から健康を増進する貴重なものとして珍重され、[金不換](金に換えられないという意味)の異名を持つほど貴重かつ高価なもので、ひと昔前までは一部の特権階級、さらに遡れば王侯貴族しか口にすることができなかったというのです。

人の健康にとって血液の質血液の流れは重要な意味をもっています。血の流れが滞ると様々な病気や症状につながります。血液の流れの滞りは、「血液の粘度が高まっている」や、「血管内に老廃物が付着して血管が細くなっているため」、また「心臓の働きが悪くなって血液を送れない」などの原因があります。
血液の流れを改善することは病気を防ぐ目的だけではなく、赤血球の生成を促進しているため、体の健康バランスもとれ、食欲不振や疲れやすいなどの回復にもつながります。

田七人参の成分は、サポニン、フラボノイド、ステロ-ル、有機ゲルマニウム、鉄分、アルギニンなど。その他に田七人参特有のトリテルペン配糖体などがあります。特にインタ-フェロンを誘発する有機ゲルマニウム含有量は朝鮮人参の一.五倍程度。
田七人参の幾多の効能の根本は、血液の質を改善し、血液の流れを潤滑にするところにあるといえそうです。

癌、癌性腹膜炎、腹水、胸水の貯留は生活の質(QOL)の低下にも繋がってきます。腹水・胸水さえ軽減することができれば、食欲が増進し、多くの栄養を体内に取り込むことができます。結果、体力、気力、免疫力の向上に繋がり癌細胞とと戦う力も同時に強化されてきます。


漢方専門店と推奨商品の詳細

胸水の漢方相談(相談無料)

高品質 田七人参 正規品販売店


※田七人参は腹水・胸水の漢方ではなく、血流や体内の環境を整える事により結果腹水などに作用する漢方です。
※通常漢方を服用される際は、専門家に相談し、患者様の体質や症状をお伝えし患者様に合った漢方薬を処方してもらう事が重要です。

※上記は、末期癌・腹水・胸水を治す目的の漢方ではなく自覚症状、不快症状の緩和目的で使用されてください。



5.漢方薬+温熱による腹水・胸水対策

ofuro_ganbanyoku.png

基本は病院の治療となりますが、病院の治療のサポートとして漢方薬温熱療法があります。東洋医学では癌や肝硬変、腹水、胸水などの様々な疾患は血液の流れが停滞することで起こると考えられています。

血液の流れが停滞することで体内の代謝の低下が起こり水分代謝の低下に繋がっていることが考えられます。また、腹水・胸水患者の方は身体が冷えている方が非常に多くいらしゃいます。その為、全身を温め血流を良くすることで体内の代謝の向上させ結果、水分代謝の向上につながります。

その他にも栄養素が各臓器にしっかりと運ばれることで、臓器の機能向上や体の栄養状態の向上、免疫力の向上につながり腹水だけでなく癌や肝硬変などの疾患の症状の軽減に繋がります。しかし、癌や肝硬変を伴う腹水・胸水の方の場合は血液の流れは酷く低下しています。その為、漢方薬も血液の流れを向上させてくれるものもありますが、正直、漢方薬だけでは難しいので、温熱と併用することで漢方薬の効果を高め、さらに血液の流れの改善になります。

温熱療法は病院でも行われている治療になり、抗癌剤や免疫療法の効果を高めるために実施されている場合もあります。また、手軽にご自宅で行える方法として遠赤外線を使い体を温めてくれる全身温熱シートもあります。他にも湯船にしっかり浸かるなども体温を上げるための方法としてあります。

特に一部分だけでなく体全体を温めることで血流の向上につながり結果、体全体の代謝が上がり水分代謝も高め腹水・胸水の対策になります。



温熱参考ページ

全身用温熱シート 正規品販売店
(温熱・遠赤外線効果で全身の血流を高め代謝の向上を促す)
医療用では無いため健康増進目的でご使用されてください。

温熱療法の効果-自宅で行う全身温熱法
(温熱療法の効果や併用治療などを詳しく解説!)


温熱参考動画『癌治療 岩盤浴マットで血流が劇的に変わる!』


腹水、胸水、癌患者さん、大変お辛い状況と思いますが、どうかご無理だけはされないようお気を付けくださいませ。

皆様のご健康を心よりお祈りしております。




lgi01a201403070200.jpg